2009年09月06日

2008.09.10(水)(6)スリル満点の湘南モノレール

 次の目的地は、大船支店西鎌倉出張所(鎌倉市)である。
 支店前をまっすぐ駅に戻る。支店のあたりから駅前にかけては、小規模な商店がずっと続いている。形態としては古い商店街だけれども、雑居ビルが含まれるなど建物としては新しいものが多い。不動産屋や携帯ショップなど小規模な店舗が数軒ある駅前の角を左に曲がったところに湘南モノレールの大船駅が見えた。次の目的地・西鎌倉まではこれに乗って行く。
 駅前通りの歩道橋に上がったものの、ここからモノレールには乗れなかった。仕方なくJRの駅まで本格的に戻ってみると、行きにも通った「びゅうプラザ」前の階段が2つに分かれていて、上から見ると右半分がフロア半分ぐらいの高さで終わっていることがわかった。中二階のような位置関係のところにモノレール大船駅への通路があったのである。だまされてしまった。かくして中二階の通路を進むと、さっき支店前から来る時に見た携帯ショップを今度は上から見下ろしている。そして、私は完敗したことを悟った。モノレールの駅に近いところに階段があって、そこを上がればJRまで戻らなくてもモノレール大船駅の目の前にドンと出たのである。往生際悪く百円返せと思った。
 現金で切符を買う。湘南モノレールは券売機・改札機ともにICカード「パスモ」に対応していない。大船から4つ目の西鎌倉までは260円で、この運賃は大船からは西鎌倉駅だけの金額である。1か所しかない改札を入ると、目の前がちょうどホーム終端の車止めで、手前側が乗車ホーム、反対側は降車専用である。3両編成しか入ってこない行き止まり式のホームは50mほどの長さしかなく、高さについても懸垂式モノレールゆえ50cmほどしかない。車両が入る線路面(というのだろうか)は水色に塗ってあって、何となく子ども用のプールのように見える。駅内では大型の扇風機が何台も回っていた。エアコンではなくて、扇風機である。とにかく駅全体が地方私鉄のような雰囲気で、のどかささえ漂っていた。
 わかっているので事前に言っておくが、湘南モノレールに乗る時には、一番前の車両に乗らないと損である。人目をはばからず運転席の後ろでかぶりつきになりたいぐらいだ。というわけでホームの端まで来ると、柵の向こう側は素通しであった。「子ども用プール」が終わったところに70〜80cmぐらいの奥行きで網がついていて、網の向こうは大空である。2階(3階?)だから落ちても死にはしないだろうが、高所恐怖症の人はホームの端に来ない方がいいかもしれない。
 14:52発が行ってしまったので、次の湘南江の島行きは15:07発までない。運転間隔は7〜15分間隔で、もう少し均等にしてもよさそうなものだが、この年(2008年)2月にオーバーラン事故があって、その影響で間引き運転が続いているのだ。本来は7〜8分間隔で運転されるはずらしい【注】。やがて、空中を駆けるようにモノレールがやってきた。車体の断面が逆台形というか下細りの台形になっていて、それが車両断面としては新鮮に映ったが、あとはデザインが何となく時代がかっているように思えた。ドアは片開きだし、窓のデザインもなんとなく昔の「バス窓」を彷彿させるような丸い縁取りのついたデザインである。車両端の銘板を見ると「昭和63年」とあるから20年しか使っていないのだが。
 車内はロングシートではなく2人掛け×2のボックスシートになっていて、入口の前には補助椅子がついていた。ボックスシートに腰を下ろす。車内を見回すと、連結面に貫通扉が一応ついているが、乗務員以外の通り抜けは禁止されており、ノーエントリーと大きく書いてあった。やはり懸垂式のモノレールだけに、乗客が渡り板を空中で踏み抜いたら大変なことになるのだ。

 モノレールが発車した。湘南モノレールは大船から終点まで単線である。複線の鉄道で終着駅だけ単線というのは、阪急箕面線や東急世田谷線など各地で見られるスタイルだが、ここは全線単線で、駅でだけ交換できるようになっている。
 線路は一般道の真上を走る。2車線道路の端にモノレールの太い柱が並んでいて、モノレールの真下はいきなり車道である。大船を出て1つ目の富士見町駅に停車中、窓下を見ると網になっていて、網の下を普通の車が走っているのが見えた。やがて徳洲会系の湘南鎌倉病院前を通過。この病院の正面玄関前には、かつて大船支店の店舗外ATM[湘南鎌倉病院]があったから、「あさめぐ」の時代に訪れたことがある。この病院を過ぎたところで、モノレールは早くも山登りを始める、茂みの真ん中を抜けると三菱電機の鎌倉製作所が見え、すぐに湘南町屋駅に到着。湘南モノレールには無人駅が多いようで、車掌は連結面のドアにいちいちカギをかけながら前後を頻繁に行ったり来たりしている。
 湘南町屋を出るとすぐ下り坂となり、ものすごい速度で駆け降りる。実際のスピードは大したことはないかもしれないが、体感速度は非常に速い。このあたりでは道路から離れたところを走っているが、一山越えると、一時離れていた一般道に再び接近した。次の湘南深沢では、駅前に団地のような集合住宅が10〜20棟くらい並んでいるが、人は住んでいないようだ。JRの大船工場がホーム北寄りから左の方角に見える。この駅の南側で、モノレールの線路は右手に分岐していく。右側の車窓から、ボウリング場やスーパーも入っている湘南モノレールの本社ビル「湘南深沢ビル」が見える。元「あさめぐラー」として触れておくと、大船支店はかつてこのビルの前に[湘南深沢]という店舗外ATMを出していた。
 湘南深沢から西鎌倉までは、山越えである。さっき乗務員が運転席にもう1人乗り込んで2人体制になったのだが、安全確認のためか。そう納得できるほどの急坂を上り、モノレールは山中に分け入ってきた。やがて本格的な山岳トンネルに入った。
 湘南モノレールは、サフェージュ式(懸垂式)モノレールのテスト線として1970年に開業したものである。相当な角度のカントをつけた急カーブ、それもS字カーブが連続しており、急勾配とトンネルもある。こうしたわけで、湘南モノレールは加速と減速が激しくて、スリルとスピード感がある。一番前の車両に乗らないと損、とさっき述べたのはそういうことである。

20080910-070_Shonan-monorail.jpg

 【注】2008年12月23日から、暫定ダイヤ前の「完全な7〜8分間隔」に復帰した。
posted by 為栗 裕雅 at 08:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | りそめぐ2008初秋 湘南セプテンバーストーリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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