2010年05月07日

2008.08.27(水)(2)豪徳寺支店

 改札出て目の前のデニーズは、以前はなかった気がするから最近できたのだろう。右側のマクドナルドは以前からあったと記憶している。左を見るとファミリーマートがあり、その隣にもうりそな銀行の看板が見えている。周辺はいかにも東京の閑静な住宅街という感じで、少々のビルは建っているけれども数はさほど多くなく、駅の周辺にちょびちょびとみられるくらいである。駅前からすぐに民家が続いている地域だが、「下町」という雰囲気は薄い。駅から南に向かってなだらかな上り坂をちょびちょびと十数m上がると、豪徳寺商店街の駅に一番近いところに銀行が1軒。それがりそなである。この位置なら「ド駅前」と言ってよい。
 りそな銀行豪徳寺支店は、1959(昭和34)年築の古い建物が健在である。日本貯蓄銀行世田谷支店として1947年4月開設され、協和銀行になってからの1959年11月に現在地に新築移転、1960年2月豪徳寺支店に改称された。旧所在地は世田谷区世田谷2-1165-2(現豪徳寺2-31-x)で、今よりも300mほど南側、駅名にもなった豪徳寺という寺に近いところである。豪徳寺支店は昭和30年代前半の建物がいまだ健在なのだけれども、ここより新しかった祖師谷や荻窪などの支店が既に建て替えを終えているので、ここもそういう話がそろそろあるのではないかと思う。「銀行めぐラー」の立場からは、1軒ぐらいはこうした古い建築を残しておいて欲しいが。
 チンチン電車の名残を色濃く残す東急電鉄世田谷線が支店のすぐそばを走っていて、近所には山下という電停がある。りそなの横には世田谷線の踏切があって、際には3台ぐらい置ける支店の駐車場があるが、そのうち1台分は行用車が置いてあった。駐車場のこの狭さは、来店客が車で来ることを想定していないのだろう。この支店は建物から何から昭和30年代の雰囲気が健在である。
 店に入ると、「招き猫」についての説明文が貼ってあるのが目についた。曹洞宗の古い寺で、桜田門外の変で暗殺された井伊直弼の墓(井伊家の墓所)もあるという豪徳寺は、「招き猫発祥の地」でもあるのだそうだ。江戸時代初期、彦根藩(現滋賀県)の第2代藩主であった井伊直孝【注1】が鷹狩りで豪徳寺の前を通りかかった際、寺の飼い猫が手招きするような仕草をしたのをたまたま見て立ち寄った。そのことが縁で豪徳寺は彦根藩の菩提寺となり、後世になって片手を上げた猫の縁起物が造られるようになった、とされる【注2】。1614(慶長19)年の「大坂冬の陣」で軍功のあった彦根藩井伊家は、徳川家から世田谷領の15村【注3】を与えられて支配していた。その範囲は、世田谷・太子堂・用賀などの主要部分を中心に、現在の世田谷区の半分近くにまで及ぶ。この地の彦根藩(その後彦根県→長浜県)による統治は、明治新政府の命令により領土が東京都と神奈川県に引き渡されるまで続いた。彦根城の築城400年記念イベントで登場した猫のマスコット「ひこにゃん」が人気を博したのは記憶に新しいが、それも彦根藩と猫との密接な関わりがあらばこそである。なお、りそな銀行は都市銀行で唯一彦根支店を持っており、彦根藩ゆかりの両方の土地に支店を出している唯一の都銀ということになる。
 さて、この支店の窓口室は1.5階分ほどある高い天井を持ち、また窓口を「クイックナビ」には改装せず、旧来スタイルのカウンターのままであった。貼り紙があって、キャッシュコーナーにあったイスを「防犯上撤去いたしました」と書いてあったが、防犯上「イス」を撤去するという理由はよくわからない。キャッシュコーナーのATM枠は、協和銀時代に設置された最初期スタイルのパイプ形デザインで、並んでいるグレーのパイプが天井まで届いている。パイプで機械1台1台に仕切られた間にATMがあるわけだが、「お預け入れ」「お引き出し」の行灯の上部はブルーに塗られ、そこに数字が1・2・3…と大きく白抜きで書いてある。ATMは6台あって、機種構成は富士通のファクトAとファクトVモデル20が3台ずつであった。その他、剥き出しで富士通の記帳機が1台置かれており、窓口室の一番奥には両替機があった。ATMを操作。14:06、豪徳寺支店をなんとなく制覇した。
 制覇の後、今年のディスクロージャー誌を貰おうと思ったのだが、案内係は他の客の相手をしている。それで何となくボーッとしていたら、窓口室の奥の方にいた女性の行員さんが私を見つけて声をかけてくれた。りそなが始まったばかりの頃、テレビの特集で、客を待たせないための窓口シミュレーションをどこかの支店で一生懸命やっていたのを見た記憶がある。サッカーやバスケットでもあるまいしと当時は冷めた目で見ていたのだが、やはりシミュレーションの成果があったということなのだろう。

 次は、小田急線の各駅停車で豪徳寺から3つ目の、祖師ヶ谷大蔵。この駅前にある祖師谷支店に行ってみよう。豪徳寺まで来たついでに少し足を伸ばす。
 頭がぼんやりしているのは相変わらずである。駅前の「すき家」でうな丼を食べてから、さっき降りたホームに再び上がってきた。線路が小田原に向かって右にカーブしていて、豪徳寺駅のホームはその途中にある。高架化と同時にカーブも改良して直線に、とはいかなかったのだろうか。新しい高架線であるので、軌道にびっしりと敷き詰めてある砕石は、指の先ぐらいと思われる非常に細かい石を使っている。これで、コンクリートむき出しよりは騒音・振動が抑えられるのだろう。
 ホームの窓から見えるのは本当に民家ばかりで、建ち方の密度はかなり高い。窓から見えるで思い出したが、豪徳寺支店は世田谷線から見えるところに看板を出したら良いのではないか。さっき支店横の踏切からりそなの建物を見ていて気付いたのだが、豪徳寺支店は、後から3階を建て増したとみえて、線路のほうを向いた3階の壁が一面のベッタリになっているのだ。ここにりそな銀行があることを、最近移り住んできた人は案外知らないのではないかと思う。なお、豪徳寺の民間金融機関は、りそなの他には東京シティ信用金庫の豪徳寺支店があるだけである。

20080827-02_Gotokuji.jpg

 【注1】井伊直弼は第15代彦根藩主。
 【注2】実際の掲示内容とは必ずしも一致しない。
 【注3】河川改修の代替地を獲得したり、飛地が独立したりして、後に20村となった。
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