2017年04月11日

2014.07.18(金)(7)静けさしみ入る石津駅

 石津駅へ戻ってきた。
 駅前まで戻ってくると、駅入口角の店は整体院のようだ。正確には、入口の窓ガラスには整体院と書いてあるけれども、もう営業はしていないのだろう。旧南濃町の市街地ということで、商業集積が多少はあるのだけれども、まあほとんど無きに等しい。いまとなっては商店街の過去の栄光を感じさせるのみである。
 この時間になると、通学をする生徒はもういないようで、駅には静寂が広がっていた。さっきの女子高生たちはどこへ行ってしまったのだろうか。アテンダントもいないので、切符を買うこともできない。駅に備え付けの乗車票発行機から1枚取って、駅の中に入った。

 ホームに入ると、遠くで踏切が鳴っていた。私が乗る電車ではない。前述のとおりこの駅で列車交換はできないから、大垣行きはいま来る桑名行きと美濃松山で行き違いをしてから来るのであろう。
 ホームからは、天理教の大石津分教会が見えている。天理教の教会は、棟がすべて天理教の聖地である奈良県天理市の方を向いて建てられていると聞いたことがある。ここもやはり天理の方向に向けてあるのだろうか。天理市は石津からだと南西の方角であるが、ホームからは切妻の妻の部分しか見えなかった。
 駅の広告看板はスカスカで寂しい状況だが、70cm角ほどの小さな看板がズラリと並ぶオムニバス広告だけ、いちおう14枚全部の枠が埋まっている。その隣に、「海津橋饅頭」の大きな看板があった。第20回全国菓子大博覧会で「農林水産大臣総裁賞」を受領したそうである【注】。いつあった博覧会かわからないし、大臣総裁賞というのも妙な名称だし、「受賞」ではなく「受領」したというのも何か意味があるのだろうか。海津橋は石津駅の北東1km弱のところにある揖斐川に架かる橋で、後で知ったが海津橋饅頭本舗はこの橋のたもとに店を構えている。海津市コミバスの幹線にあたる海津羽島線が通るが、今回ここは行かない地域である。電車に乗って歩き回っているだけでは分からないところが多々あるのは確かだ。
 やがて桑名行きの2両編成の電車がやって来て、ホームの桑名寄り最前部に停まった。もっと後ろに停めればいいのにと思った。石津駅は出入口が大垣寄りの北端1か所しかない。2両編成の場合、客をわざわざ1両分前方に移動させることになるが、そんな意地悪をしてやるなよと思う。ワンマン運転用のミラーは、2両用と3両用の2本、ホームにちゃんと設置されているのだから。ともあれ、まだ8時前だというのに、電車は早くも客がまばらで、養老鉄道には朝ラッシュがほとんど存在しないのではないかと思えた。もっとも、朝にこの駅から桑名行きに乗るとしたら、可能性としては桑名に通う人と、四日市や名古屋に出る人。桑名への通勤ならもう少し遅くてもいいし、四日市や名古屋であればもっと早い電車に乗らないと間に合わない。こう思考を巡らせたのだが、都市部とは違って養老線は次の電車が40分後まで来ないのである。あの6時台の混雑がラッシュの混雑だったのか。
 電車が走り去って、ホームには再び静寂が漂った。今来た桑名行きからは、女性が何人か降りて行った。駅の外はホーム脇が砂利道になっており、この人たちはそこを歩いて南に向かって行った。南濃支店のある方向だから、大共の行員さんかも知れないと思った。
 この時間で、もうハンカチが汗でびしょ濡れになっている。8時の時点でこれでは、日差しが出てきたら思いやられる。

 踏切が再び鳴り始めた。今度こそ、私が乗る08:06発の大垣行きがやって来る。次の目的地は…2つ先の駒野駅である。土地鑑のない私は、次どこへ行くのか、スケジュール表をいちいち見ないとわからない。南から赤い電車がやって来た。時間の経過からして、7時過ぎに美濃松山ですれ違った3両編成である。
 大垣行きもまた、車内はガラガラであった。まだ8時だというのに、この駅から大垣行きに乗る人は、私の他には1人しかいない。一番前の車両は自分を入れて7人、2両目が2人。見えないが一番後ろも2〜3人しか乗っていないのではないだろうか。
 石津駅には駅員もアテンダントもいなかったが、この電車には黄色いポロシャツのアテンダントが乗っていて、向こうの車両で顔見知りらしき乗客とおしゃべりしている。やがて私の車両に回ってきたのは、誰かと思えば、さっき美濃松山駅で掃除をしていたおばちゃんであった。さっきと同じように車内補充券を買った。

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 【注】第20回全国菓子大博覧会:1984年に東京で開催。菓子博は地方博覧会の一種で、日本最大の菓子業界の展示会。全国菓子工業組合連合会(全菓連)などが主催している。博覧会の総裁が農林水産大臣であった。
posted by 為栗 裕雅 at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 大垣共立銀 岐阜県海津市+2町完全制覇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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