2017年05月14日

2014.07.18(金)(40)船附はかつての「船着き場」

 豊富でないボキャブラリーの限りを尽くしてぼやきながら、側道が国道に合流するところまでやって来た。向こうの交差点に、行政が立てた「養老町」という青文字の白看板が見える。横断歩道を渡ったところに大共の船附出張所があるようだ。見えた。バイパス道路の向こうに、大垣共立銀行の緑色の看板。出張所の建物も見える。
 大共の敷地は、南北に走る大桑国道の西側に面している。道路は中央分離帯つきの片側2車線だが、さらにもう1車線分ぐらい広げる余地があるから、銀行の敷地は内側にかなり引っ込んだところにある。客用の駐車場はかなり広くて、南端に縦に4台分、東の端に縦に4台分、北の端に7〜8台分ぐらい。数字で言うと約20m四方で、車の台数としても20台ぐらいは置けるだろうか。車で広い範囲から集客する計画だったのだろうと思う。「お客さま駐車場」という看板が立っているところは、芝生か何か植えていたのだと思うが、緑色の防草シートで覆ってあった。
 「大垣共立銀行」の看板よりも目立つところに、「WE SERVE」と大書した看板が出ている。養老町・養老警察署・養老ライオンズC(クラブ)の連名であるが、ところどころ文字が落ちているところに悲しさを覚えた。《無事故で築く平和日本》とある下には「交通安全」の文字が5段重ねで並んでいて、ほとんどヤケクソのようである。交通安全交通安全交通安全交通安全交通安全。交通安全が重要でないとは言わないが、それ以外に訴えたいことはないのだろうか。銀行の隣は大駐車場完備のパチンコ屋で、巨大な招き猫のモニュメントを付けている。南行き車線に面したところにも1軒あるから、パチンコ屋が国道を挟んで向かい合っている。
 というわけで、ここはバイパス道路のロードサイドであった。

 大共船附出張所前の交差点は、船附集落の入口にあたっており、四つ角に「船附港址」という石碑が建っている。それによると、ここ船附は、かつては交通の要衝であった。「ふなつけ」という地名のとおり、船着き場だったのである。船附湊(港)はこの近所にある烏江湊・栗笠湊とともに「濃州三湊」と呼ばれ、中世末期から江戸幕府末期まで河川交通の拠点として約300年間繁栄したという。船附を起点に牧田川を遡り、関ヶ原から中山道に入って琵琶湖の朝妻湊(滋賀県米原市)へ、米原からは舟で京都へ、という交通路だった。この近所にある3つの港と、米原市の朝妻湊とを結ぶ道を、九里半街道といった。船附の1.5km上流が栗笠、さらにその500m上流が養老鉄道の駅もある烏江である。
 日を改めて船附の集落に行ってみた。集落内は車1台がやっと通れるぐらいの道幅であった。ここには新築した建物はほとんど見当たらない。明治期の築とおぼしき木造建築ばかりである。建物の並びは不規則だが、家の力によって大きい小さいがハッキリしている。そんな中お寺だけが立派で、割合最近普請したらしく木材が新しかったりする。もちろんこのあたりも輪中の集落で、建物は石垣の上に上げている。
 街角には「常夜灯」と彫られた立派な石灯籠が立っている。灯籠にはしめ縄がついていたりするから、川よ静まれー、と神頼みするニュアンスだったのだろう。消防団機器庫のそばに立つ火の見やぐらには、塔の真ん中辺と一番上と、鐘が2つも付いている。川見を兼ねた火の見やぐらはさっき海津市の野寺でも見たが、大水の時には川の様子を見て鐘をガンガン叩いたのだろう。火の見の向かいには神社があったりする。以上すべてが、この集落の真際を川が流れていたことを示している。
 船附のもう少し奥にある栗笠に来ると、堤防の脇に2階建ての棟割長屋の商店建築のような建物が建っている。河川交通が栄えていた時代の問屋だとすると、新しくても明治時代頃の築ということになる。さらにその奥にある烏江の集落は見ていないけれども、地図で見ると、養老鉄道の線路は大垣からまっすぐ南に下がってきて、烏江で西に直角に曲がって美濃高田に向かっている。建設当時の重要地点だった烏江を通るためにこういうコースになったのであろう。いずれも、古い時代には重要な集落であったのがありありとわかる。なお、養老鉄道の烏江駅は、堤防工事で線路が付け替えられたため、イメージにそぐわぬ高架式の駅で驚かされる。

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posted by 為栗 裕雅 at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 大垣共立銀 岐阜県海津市+2町完全制覇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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