2017年05月31日

2014.07.18(金)(57)19か所制覇完遂!

 それでも、私が今漕いでいるのは普通の自転車であって、フィットネスジムのなんとかバイクではないから、漕ぎ続けていればいつかは目的地にたどり着くことができる。角田と書いて「すまだ」と読む交差点の北西角が、イオンタウン養老であった。田んぼの中の一本道をひたすら直進して、私はようやく目的地に到着したのであった。
 イオンタウンのメインエントランスは、交差点からさらに北上した、ザ・ビッグの建物のすぐそばであった。通りに面したところから売り場の入口までは、屋根付きの通路がある。屋根の下にはショッキングピンクに近い色合いの敷石を敷いて、渡り廊下のようになっている。
 敷地の中に入ってみると、このイオンタウン養老ショッピングセンターは、数時間前に行った「イオンタウン輪之内」に、気味が悪くなるほどそっくりであった。養老も輪之内と同じで、スーパーの「マックスバリュ」は完全に閉店して、白い看板になっている。空いた建物で営業しているのはソフトバンクのケータイ店1店だけで、これも輪之内と同様【注1】。旧マックスバリュ内にあるソフトバンクの店は、輪之内と位置関係まで同じであった。駐車場の入口がインターロッキングになっているのも輪之内と同じ。輪之内と比べて地盤沈下が激しいのか、敷石がだいぶガタガタになっていた。敷石のすき間からは草が生えているが、SNSではないので笑いはしない。建物の配置が輪之内よりシンプルだった気がすることだけが相違点であった。

 ほとんど同じに見える2つのイオンタウンに遭遇して、私なりに思うことがあった。各店舗をここまで徹底的に同じつくりにしたということは、おそらく、店に入るとコストカット第一主義で、品揃えや商品展開の仕方なども全く同様なのだろう。精神を病むとは言わないまでも、あまり健全でないように思う。個性というか多様性が喪失してしまっているからだ。
 イオン、かつてのジャスコは、高度成長期にダイエーや西友などの後塵を拝していたが、その分狭い商圏で圧倒的なシェアを握るノウハウを掴み、大ショッピングモール路線の下地を築いていった。これにより、イオンは東北地方や北関東など、市場の成長力が弱く新規参入も少ない地域を押さえている。人口が減少し市場も縮小している地域に出店し、その地域の商業全体に占める比重を高めて競争優位に立つわけである。ここや輪之内店のような店づくりには、ジャスコが培ってきたノウハウが存分に反映されているのであろう。養老店と輪之内店は建物さえほぼ同じ設計であり、両者の違いは単に店の名前だけと言ってよいほどに乏しい。
 こうした店の商品を買って生活することは、均質化された大量生産品を大量消費することである。現代社会は総じてある程度そうなっているのだが、田園地帯にショッピングセンターが多数オープンするようになった最近20年でとりわけ顕著になったと思う。こう書くと、現実のショッピングセンターには多種多彩な商品が並んでいるではないか、と言われるかもしれないが、それは決して「多様」ではないのである。イオンの売り場に置かれているインスタントラーメン(ドレッシングでもトイレットペーパーでも何でもいいのだが)を例にとると、そこで売っているのはイオンのプライベートブランド商品「トップバリュ」とナショナルブランド商品、合わせてせいぜい3〜4点であろう。その範囲内では自由に選択できるが、大量生産・大量流通のルートに乗らない商品は選択できない。それを、多様性が喪失したというのである。後者のような商品は、かつては個人商店を中心とした地域の在来商業が提供していたが、大型店の出店により、個人商店は一掃されてしまった。
 商品のほかにも、人間疎外や、非正規雇用を多用することによる地域社会の変質など、社会学の分野で「郊外化」と呼ばれるさまざまな論点がある。私は、マーケティング・リサーチャーの三浦展氏がこうした概念をふまえて提唱した「ファスト風土」という言葉が直感的に的確だと感じ、2000年代の前半から使ってきたが、氏がなぜイオンのショッピングセンターをその象徴に挙げているのか、いまひとつピンと来ていなかった。今回期せずしてイオンタウンを2か所訪れたことで、「ファスト風土」の象徴が(漠然とロードサイド型のショッピングセンターでなく)特に「イオン」である理由がようやく得心できた気がする。
 蛇足ながら、ここのような農村部では、前述の図式からさらに先へ進み、一度はシェアを高めたハズのイオンの戦線縮小が起こっている。イオンが郊外にできて旧市街がさびれたという話はよく聞くけれども、その郊外のイオンが撤退したら、その街はどうなってしまうのだろうか。ここや輪之内のイオンタウンはまだ2つあった店が1つにまとまるだけで済んでいるが、ザ・ビッグすら撤退することになったら、高齢者を中心に大量の買い物難民が生じるのではないだろうか。そうなってしまっては、「養老」という町の名前には相応しくなくなるだろう。

 キャッシュコーナーの位置関係も、さっきと全く同じではないが、よく似ていた。平屋建ての複数の建物が並んでおり、その並びが90度曲がった付け根部分に「キャッシュコーナー」の赤文字、その下に共同キャッシュコーナーの自動ドアがある。キャッシュコーナーの隣は百均のダイソーであった。6機関分の枠があって、一番左が閉鎖になっているのも輪之内と同じである。入っている5機関は大垣信金・大垣共立銀・十六銀・JAにしみの・ゆうちょ銀で、順番は別として輪之内と全く同じ5つの金融機関である【注2】。各ATMの母店はJA(記載なし)とゆうちょ銀(名古屋支店)を除き、すべて地元の養老支店であった。大垣共立のブースには、ピピット対応済みの沖電気バンキットが1台置かれている。[イオンタウン輪之内]では富士通のFV20だったから、ATMの機種だけが輪之内とは違っていた。機械を操作する。16:54、最後の制覇目標となる[イオンタウン養老]を制覇した。
 こうして私は、本日予定していた全19か所の制覇を完遂したのであった。

 養老支店イオンタウン養老出張所は、大共養老支店6番目の店舗外ATMとして、ショッピングセンターがオープンした1999年10月に開設された。
 イオンタウン養老ショッピングセンターは、オープン時点では売り場面積12400u、コンクリート平屋建ての6棟で、650台が収容できる屋外駐車場を備えていた。車で10分以内の約18,000世帯が商圏で、当初は水曜日(年間24日)を休日としていた。店舗は衣類など日用品のディスカウントストア「メガマート」と、食料品スーパーの「マックスバリュ」を中心に、専門店が出店してスタートした。年商は専門店を合わせて48億円を目標に置いていた。その後、2011年8月にメガマートが、9月にマックスバリュが閉店し、同年10月、メガマート跡を改装して「ザ・ビッグ養老店」として再スタートした。改めて数字を見返してみたが、ほぼ輪之内店のコピーのような店と考えてよさそうである。
 ところで、何時間か前に[イオンタウン輪之内]に行った。そこの通帳表示は<イオンタウン>であったが、他のイオンタウンにある大共ATMの通帳表示はどうなっているのだろうか。結論から言うと、ここは半角カタカナで<イオンタウンヨウロウ>と記帳されていた。輪之内以外のイオンタウンは全て半角カタカナ表記で、「イオンタウン」の文字の後に地名を入れて区別している。輪之内だけ<イオンタウン>であるのは、[イオンタウン輪之内]がイオンタウンの大共ATMとして最も古いためである。

57-1.jpg
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 【注1】輪之内と同様、現在は撤退している。同じ棟と見えたがその後別棟と判明したのも、輪之内と同じ。
 【注2】輪之内のゆうちょ銀行は撤退済み。
posted by 為栗 裕雅 at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 大垣共立銀 岐阜県海津市+2町完全制覇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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